企業理念①「日本のものづくり技術をもって世界に打って出る」

日本のものづくり技術とは?

日本は、ゼロから新しい価値を生みだすよりも、新しく生み出された価値をより一般の人が使いやすいように作り変えることを得意とする国。当園においても新しく画期的な技術を取り入れるのではなく、既存の技術を独自に組み合わせることで質の高い野菜を安定供給できる栽培環境を確立してきました。

例えば、野菜づくりにとって重要な土づくりでは物理性、生物性、化学性の全てにおいて最適な環境を整えるため、施肥設計を調節しながら2年かけて土壌を改善しました。また、ハウスの設備においても、病害虫防除のシステムや遮光ネットの改良を繰り返し、気候の変化に順じた温度管理をしています。

現在に至るまで、失敗はありましたか?

創業当時は、病害虫で野菜が全滅したり、新しく挑戦した品種の栽培がうまくいかないこともありました。失敗を繰り返しながら、なぜそうなったのか原因を追究し、改善方法を考える。様々な方法を調べ、研究学園都市という土地柄を活かして研究者にアドバイスをもらい試行錯誤しながら現在の環境を築き上げました。失敗はしたほうが良いです。

なぜ世界を目指すのか?

サッカーが好きで、小学生の頃からよくテレビでサッカーの試合を見ていました。日の丸を背負い世界のチームと戦う日本代表の姿に感化され、自分もいつか世界で勝負したいという思いを昔から抱いてきました。

実現に向けた足掛かりとして、GFSI(Global Food Safty Initiative)から承認を受けたASIAGAPの認証を2020年に取得しました。台湾や東南アジア諸国を視野に入れ、物流の販路を模索中です。

企業理念②「オーガニックに付加価値を付ける」

スーパーで“すっぴん菜ちゃん”を見つけると、不思議 と安心します。

それは良かったです。すっぴん菜ちゃんは、「頑張って働く女性の肌と心をきれいに」をコンセプトに、毎日の食卓に美味しいオーガニック野菜を届けたいという思いから生まれました。手に取った商品から、明るい未来が見える。そんな野菜づくりを展開していきたいですね。

また、2019年には地元スポーツを応援する意味で茨城にホームを置くバスケットボールチーム「茨城ロボッツ」のスポンサーになりました。地域と関わりながら、「ふしちゃんファーム」の野菜を多くの人に知ってもらう機会を作っていきたいと思っています。

「ふしちゃんファーム」が目指す付加価値とは?

創業当初から目標の一つに掲げてきたのが「高品質、適正価格、安定供給」。現在ではその体制も整い、生活協同組合やスーパー、地元飲食店、オイシックス、三越、学校など県内外の取引先への出荷も安定しています。

世の中的にもだいぶ「有機野菜」という選択肢が定着してきたので、より多くの人に当園の野菜を手に取ってもらうためのブランディングにも力を入れていきたいですね。

その取り掛かりとして、既に3年前に当園で栽培する有機小松菜を「すっぴん小松菜」として商標登録しています。消費者の目に留まりやすいよう“すっぴん菜ちゃん”というオリジナルキャラクターも作り、梱包材にも使用しています。

企業理念③「多様性を尊重する」

多様性とは何を指していますか?

そもそも、有機野菜が多様性そのものだと思っています。農薬や化学肥料を使用しない有機農業では、作物に被害をもたらす原因の一つである虫の存在を排除するのではなく、逆に虫の力を借りながら野菜づくりを行っています。天敵を利用した害虫防除技術がその例に当たります。

何か問題が起こった時、一方的にその原因を排除するのではなく、環境に適応しながら共存していく。それは、野菜に限らず人も同じこと。

創業時は、私と当時大きなお腹を抱えながら畑に出ていた妻と二人だけのスタートでしたが、今では20~60代まで20人近いスタッフが共に働いてくれています。あくまでも経営者と従業員は、対等な関係。今後もより良い仕事の方法や目標を見つけて意見し合い、挑戦し続けることのできる職場環境で、更なる高みを目指していきたいです。